噫、とうとう全部見終わってしまった。出演者のひとり・ともさかりえさんも「奇跡のようなドラマだった」と述懐する傑作。少女趣味全面展開にしてハードボイルド、知的にして温かな笑いに満ちた日々のドラマ――それを、ゆめゆめ「日常」だの「生活者」だのという疎外論オヤジ的手垢に塗れた用語でしばりあげることなかれ。 市川実日子も、小林聡美も、ともさかりえも、高橋克己も、金子貴俊も、誰もが素晴らしい。浅岡ルリ子の大学教授は、テレビドラマで初めて本物の教授に見える人物像をつくりあげていた。そしてドラマに厳しさの感覚をにじませた小泉今日子は、歳をとってからのほうが、アイドル時代の何千倍も魅力的だ(というか、アイドル時代のキョンキョンは、僕にはどこがいいのかわからなかったのだけれど)。 木皿泉という人(男女二人のチームらしいが)の脚本の豊かさと鋭さには心地よく脱帽。われわれがなすべきなのは、なすべきことだ。このありふれたトートロジーの循環する軌道のなかに世界を、空虚ではなく細部を備えた本物の世界を封じ込め、こんなふうに軽やかな風吹き渡るビジョンとして提示することができるとは。他にはこんなの↓も書いているようなので、ぜひ観てみたい。 「すいかのお墓」に、花束は要らないのである。
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